2013年10月13日日曜日

失敗にどう反応するか?


ここに、とても重要な医学的解明を成し遂げた、著名な科学研究員にまつわる話がある。彼は新聞記者のインタビューを受け、「あなたはなぜ平均的な人間よりもずっと創造的でいられるのだと思いますか?何が他の人との大きな差を生み出したのですか?」と尋ねられた。

この質問に対し科学研究員は、「すべては2歳頃の母親とのある経験から始まったと思います」と答えた。

2歳の彼は、冷蔵庫から牛乳ビンを取り出そうとしていたが、つるりと手から滑り落ちてしまった。台所の床一面に牛乳をこぼし、まさに辺りは牛乳の海と化してしまった。

台所に入ってきた母親は、叱ったり、お説教をしたり、おしおきをしたりする代わりに、次のように言った。

「ロバート、全く見事な散らかしようね!こんなに大きな牛乳の水たまりなんて、滅多に見られるものじゃないわ。まあ、もうこぼしてしまったのだから、片付ける前に少しこの水たまりで遊ぶ?」

彼は、実際にそうした。しばらくしてから、母親は言った。

「ねえロバート、こんな風に散らかしてしまったら、そのうちきちんと片づけて、元の状態に戻さなければならないのよ。あなたはどうやって片づけたい?スポンジを使ってもいいし、タオルでもモップでもいいわよ。どれがいいかしら?」

彼はスポンジを選び、母親と二人でこぼした牛乳をきれいにした。

それから母親は言った。
「ねえ、今回は、大きな牛乳ビンを小さな手で上手に運ぶという実験には失敗したわね。あなたが、こぼさないで運ぶ方法を見つけられるか、一緒にお庭に出て、瓶に水を入れて試してみましょう」

小さな男の子は、ビンの上の注ぎ口付近を両手で持てば、落とさずに運べることを学んだ。

この高名な科学者はさらに感想を述べた。
「この瞬間、間違いを恐れる必要はないと気付いたのです。間違いは何か新しいことを学ぶ機会でしかなく、科学的な実験とはつまりはそういうものです。たとえ実験が『うまくいかない』場合でも、大抵はそこから何か貴重なことが学べるのです」

もしすべての両親が、ロバートの母親のように反応したら、素晴らしくはないだろうか。

もし私たちみんなが、部下や後輩にこんな風に反応出来たら素晴らしくはないだろうか。誰かが、自分の失敗から学べるように手助けできるとすれば。
 

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