2011年7月11日月曜日

うわさ話

ある女が隣人のちょっとしたうわさ話をした。数日のうちにその話は近所中に知れ渡った。うわさを立てられた隣人は深く傷ついた。しかし後に、女は、そのうわさが全くのデマだったと知った。女はひどく後悔し、賢者を訪ねて、隣人の名誉を回復するためにはどうすればよいかを尋ねた。

賢者は、「市場に行ってにわとりを買い、その場で絞めてもらうのじゃ。そして家に帰る途中、羽をむしって1枚ずつ道に落とすのじゃ」と告げた。
賢者の言葉に驚いたものの、女は言われた通りにした。

翌日賢者は、「では、昨日落とした羽を全て拾い、私の所に持って来るのじゃ。」と女に告げた。

女は昨日と同じ道をたどったが、羽はすべて風に吹き飛ばされてしまっていたので、うろたえた。何時間も探した後、ようやく3枚を手にして戻った。それを見て賢者は言った。「ほら見よ、落とすのは簡単じゃが、取り戻すのは不可能なのじゃ。うわさ話も同じじゃよ。うわさを広めるのはあっという間じゃ。でも後から何も無かったことにするなど出来っこないのじゃよ!」

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